矯正治療によって歯並びが整ったものの、歯ぐきが下がってしまうケースがあります。これは、歯の移動に伴い歯ぐきの組織が薄くなったり、歯の根が露出したりすることで起こるものです。今回ご紹介する患者様も、矯正後に歯ぐきが下がり、見た目や知覚過敏の症状に悩まれていました。そこで、歯ぐきを回復させるために歯肉移植を行い、健康的な状態へと改善しました。本記事では、その治療の流れや結果について詳しくご紹介します。
症例写真
初診時

矯正治療終了直後より歯茎が下がっていることが気になっていたとのことです。
以前に他院で歯肉移植治療を行ったが改善しなかったとのことで、今回当院に来院されました。
過去に手術を行なっていると、最初の手術の傷が残るため(表面からは見えにくいですが、歯茎の内部に残っています)、二度目の手術は難易度が上がると言われています。
しかし、当院では治る見込みがあると考え処置を行うこととしました。
手術から2週間後抜糸時

傷はほぼ綺麗に治っていますが、まだ腫れが若干残っています。
手術から半年後

手術から半年経過しましたが,再度歯茎が下がることはなく、非常に良い状態を保っています。
手術後の余談
こちらの患者様は今回受診に際して、今後結婚式を控えており綺麗に治るか気にされていましたが、手術後とても満足されたとのお言葉を頂きました。
余談にはなりますが、手術後も3ヶ月に1度のメインテナンスにいらしておりますが、先日普段より少し短いスパンでのご予約が入りました。
どうかされましたか?とお聞きすると、明日結婚式なので歯を綺麗にしに来ました。との返答を頂きました。
結婚式前日に歯のメインテナンスに来ていただけるとは、スタッフ一同とても嬉しい出来事でした。
詳細情報
年齢・性別 | 20代・女性 |
治療内容 | 根面被覆(歯肉退縮治療) |
治療費用 | 75,000円(税込) |
リスク・副作用 | 移植した歯肉が十分に生着しないことがありますが、適切な術後ケアを行うことで、生着率を高めることができます。 |
こちらの患者様は、矯正治療を受けたことで歯並びは整いましたが、歯肉退縮が進行し、歯の根元が露出してしまいました。歯肉が下がることで、見た目だけでなく知覚過敏や歯の根のダメージといった問題が発生することがあります。
今回の治療では根面被覆術(歯肉移植)を行い、後退した歯肉を回復させる処置を実施しました。患者様ご自身の口蓋(上あご)から採取した歯肉を移植し、歯ぐきを再生させることで、健康的な歯肉の状態を取り戻しました。
監修者情報

副院長 佐久間 俊光
経歴
- 2015年 北海道医療大学歯学部卒業
- 2015-2016年 恵佑会札幌病院歯科口腔外科研修医
- 2016-2020年 北海道大学歯学部大学院冠橋義歯補綴学教室(歯学博士)
- 2020-2022年 三好プリベント歯科勤務
- 2022-2023年 テキサス大学ヒューストン校(アメリカ)歯周病インプラント科留学