矯正治療によって歯並びは整ったものの、歯ぐきが下がってしまい、歯が長く見えるようになってしまうことがあります。
「せっかく矯正治療をしたのに、こんなはずではなかった」
そのように感じている方もいらっしゃるかもしれません。
歯肉退縮は、歯の移動に伴って歯肉や歯槽骨が薄くなることで生じることがあります。以前は改善が難しいと考えられていたケースでも、現在では歯肉移植術によって改善が期待できる場合があります。
今回は、矯正治療後の歯肉退縮に対して根面被覆術を行い、良好な結果が得られた症例をご紹介します。
症例写真
初診時

矯正治療終了直後より歯茎が下がっていることが気になっていたとのことです。
矯正歯科や以前から通院していた歯科医院で相談したところ、これは矯正では起こるものだからしょうがない。改善は難しいと言われたそうで、今回当院のHPを拝見されたとのことで来院されました。
過去に歯茎が退縮している部位に詰め物や被せ物治療をしていると、歯肉移植の治療成果は一気に下がると考えられています。
今回は特に大きく退縮した犬歯部に詰め物がされており、条件としては決して良い状態ではありませんでしたが、改善が期待できると判断し治療を行いました。
手術から1ヶ月後

非常に良好な状態で治癒しました。ご本人にもとても喜んでいただき、「ぜひ下の歯も治療したい」とご希望いただけました。
前歯のアップ写真

実は前歯の拡大写真のBefore画像は初診時のものではありません。詰め物治療されていた部位を可及的に外したのち手術直前に撮影しました。すると詰め物を外しただけで歯肉退縮部位が若干の改善していました。
歯肉退縮に伴う知覚過敏症状に対して詰め物治療が行われることがあります。しかし症例によってはその治療によりし歯茎が下がることを助長させてしまいます。そのため根本的な原因である歯肉退縮そのものへの対応が必要な場合もあります。
詳細情報
| 年齢・性別 | 30代・女性 |
| 治療内容 | 根面被覆(歯肉退縮治療)7-10歯 前歯から臼歯部にまたがるもの |
| 治療費用 | 145,000円(税込) |
| リスク・副作用 | 移植した歯肉が十分に生着しないことがありますが、適切な術後ケアを行うことで、生着率を高めることができます。 |
こちらの患者様は、矯正治療を受けたことで歯並びは整いましたが、歯肉退縮が進行し、歯の根元が露出してしまいました。歯肉が下がることで、見た目だけでなく知覚過敏や根面う蝕のリスク増加といった問題が生じることがあります。
今回の治療では根面被覆術(歯肉移植)を行い、後退した歯肉を回復させる処置を実施しました。患者様ご自身の口蓋(上あご)から採取した歯肉を移植し、歯ぐきを再生させることで、健康的な歯肉の状態を取り戻しました。
監修者情報

副院長 佐久間 俊光
経歴
- 2015年 北海道医療大学歯学部卒業
- 2015-2016年 恵佑会札幌病院歯科口腔外科研修医
- 2016-2020年 北海道大学歯学部大学院冠橋義歯補綴学教室(歯学博士)
- 2020-2022年 三好プリベント歯科勤務
- 2022-2023年 テキサス大学ヒューストン校(アメリカ)歯周病インプラント科留学


